こんばんは、こんにちは、ごきげんようジャパン。
ネオングロウです。
今回は読書感想文です。
こういう感想って、いつもならtwitterに140文字にまとめてツイートしちゃうんですが、
ふと読み進めてて「面白いな」と思えた本については、備忘録も兼ねてブログに書いていこうと、
思う次第です。
そんな思いから書いた読書感想文の1冊目が、こちらです。
ネコにさよなら
(作:チョコドーナツ)
[2015/1/24]
縁があって、こちらのマンガをお借りしたのですが
読んでみると、これがまた面白い!
(面白いといっても、ギャグ的な面白さという意味もありますが、マンガとしてキャラクターの成長や、読後感を含めた満足感、考察の余地なども含めて「面白さ」だと考えています)
ちなみに。
内容は。表紙の通り、ボーイミーツボーイ。
でも実際はどちらもボーイではありません。
方や、いい年した冴えない大人。
方や、実は、ネコ。(表紙でしっぽ生えてるゥー)
という表紙からも分かる通り、この著書にはほんのりBL要素を含む内容があります。
(ハードな表現はありませんのでご安心くださいね)
しかし感想文には極力そういった要素や表現は使わないようにしております。
また、今回の感想は、この作品に登場する人物の人間的な成長や、
そこから学ぶことであったり、にフォーカスを当てています。
ご了承頂ける方のみ、継続して感想文をお読みください。
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自分に正直に生きられない男性と自分に正直なネコとのボーイミーツキャット
■簡単なあらすじ
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主人公の赤井(男性・20代の冴えない社会人)は、付き合っていた女性に突然フラれる。 「赤井くんは優しいんだけど…」 いつもその文句でフラれる赤井は自分自身に辟易としています。 「外ヅラが良いだけじゃダメなんだろうか…」 雨の降り出した公園でひとり落ち込む赤井。 気分は沈む一方─ そんな時、赤井は、1匹の捨て猫と出会う。 白い毛が可愛らしいその猫。 赤井はタマと名付け可愛がろうとしたら─ 「…タマじゃないし タマじゃない シロだよ」 …!<strong>このネコ、喋る!</strong> 喋る上に翌朝<strong>目が覚めると人間の姿になっています</strong>(しかも美少年ですね) なんかすごい力(適当)で人間になれたシロ、実は飼い主・紫音(シオン)くんと離れ離れになってしまったようです! シオンに会いたい!シオンに会いたい!シロは早く飼い主のシオンくんに再開したい。 「いい人」な赤井さんは、<del>可愛らしい</del>かわいそうなシロを放っておくことが出来ず、 飼い主探しに協力してあげることに… でも、赤井は、シロと暮らし続けていくうちに、自分のある感情に気付きだし… そしてシロもまた、赤井と暮らしていくうちに、人間らしさを覚えていく。 この2人の飼い主探しの先にあるものとは…? |
というのが序盤のあらすじです。
まだ序盤の序盤です。
ここまで書くと、なんだかシロくんが猫の恩返し的なノリで
飼い主みつけてありがとー色々あったけど楽しかったぜー!じゃあな!
というオチじゃないかと思われるかもしれませんが、まあ、それは、読んでからのお楽しみ。
さて。
このマンガの楽しみ方は色々あると思います。
赤井さんのヘタレ具合からの、自分と向き合う姿を楽しむもよし、
シロがただかわいいよかわいいよと愛でるのでもよし、
はたまた2人の掛け合いを延々と妄想膨らましながら見るのもよし、
というか、それが作品やコンテンツの楽しみ方ですよね。
そこについて、少しだけ踏み込んで書いていきます。
「本当の優しさ」は、自分と向き合えた時に初めて出せるもの
色々な楽しみ方、読み解き方がある中で、
私がこの作品をより面白いなと思えた理由。それは、
「この物語の主人公は、赤井さんでもあり、シロでもあり、シオンさんでもあり、
作品途中に出てくるヤンキーくんでもある」
という点。
あ、ヤンキーくん、紹介していませんでしたね?
大丈夫です
「主人公に絡んできて、なんだかんだネコが好きなのでいいやつでしたキャラ」です
これだけで片付けるのは勿体無いですが、だってちょっとネタバレになりますから。
そんなヤンキーくんも含めて、
この本の中で好きなのは、「人間の持つ様々な不完全さ」を、
コミカルに、でも分かりやすく描いてくれている点だと思っています。
そこについては、作者のチョコドーナツ先生があとがきでこう書かれています
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シロが人間になろうとすること、 赤井が猫かぶりをやめること、 紫音がシロに依存せず友達を作ること。 三者それぞれの「ネコ」との別れを意味して、 『ネコにさよなら』というタイトルにしました。 |
これは上手いことまとめてくれたなと
読み終えた後にそう思えた瞬間でした。
つまり、赤井さんもシロも、飼い主であるシオンくんも、
最終的に自分と向き合う時が来るのですが、それを否定せず受け入れることで、
自分の中の弱さを乗り越えるという、実はこれ、かなりアツいマンガ。
様々な意味での「ネコをかぶる瞬間」、人間って生きていたら多かれ少なかれ、
感じる瞬間、ありませんか?
もちろんかぶる瞬間も時には必要かもしれませんが、そのままでは、まさに「ネコ」
かわいい、かわいいと、愛想よく接して貰っても、それも永遠には続かない。
だから、序盤に出てきた赤井さんが「赤井くん いい人なんだけど・・」
と彼女にフラれた理由がこの本を読み終えた時には理解できる素敵な参考書でもあります。
人間、与えられてるだけじゃ、成立しないものね。
ここまで、この作品の面白さに対する感想でした😌
以下、オチを含めたほんの少しの考え事です。
改行、改行。。
(読んだのはもう2週間前、バスの移動中の時でした…)
シロと赤井さんのこれから
かくしてこの漫画は、赤井さんとシロの生活がこれからも続いていくよという所で終わります。
シロは終盤、人間になれる力がなくなり、赤井さんとコミュニケーションが取れなくなります。
赤井さんは、人間であるシロに愛おしさを持っていた部分もあるし、
二人のコミュニケーションが潤滑に行っていたのも、人間同士であったからだと思います。
でもね・・・
でも、最後のページご確認くださいね。
仕事が終わった赤井さんは家に帰ると、誰かが、お出迎えをしてくれます。
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(カチャカチャ カチッ キィ…) ガチャ 「ただいま シロ」 |
シロ、ドア開けてくれてますやん。
明確には描かれてはいませんが、シロがネコの姿のままスーパージャンプして鍵とドアノブを解錠するとは展開的になかなか考えにくいので、
シロは人間の姿に戻れることが出来ましたやったね!うおおお!!!
こうして2人の生活は続いていくことに、
読み終えた時、なぜか大きな幸せと安心を感じました。
なぜだろう、それは僕自身がこういったボーイミーツ人外に弱いからかもしれません、
(というか某にゃんこなにがしよろしく、ボーイミーツ猫はずるいですよ。
それだけでいい話なの分かってますやん…ってなりますやん…)
そんな、彼ら。
これから彼らはどうなっていくんでしょうか。
僕はこの世界観にひたりきった時、
ただこう願うのでした。
「末永く2人は幸せでいてほしい」
いや別に結婚しろ!とか言ってるわけではないんですが、
この2人が報われるのであれば、それはどんな形でも良いです。
実際、作中でも赤井さんが「ネコにさよならした」結果、
周りからの評価も良くなる場面もあったし、
赤井さんが一般的な価値観を持ち、誰か女性と結婚することになるかもしれない。
でも、シロは、ずっとそばにいてあげてほしい。
寄り添うだけでも、ネコの姿のままでも。
ご飯をあたえて、たまに猫じゃらしであそんで、
人間に戻れたら、一緒にテレビを見て、買い物もして、
そんな日々が末永く、末永く続くように・・
こう思えた、作品でした。
つまり
ネコにさよならってタイトルだけど
シロとはサヨナラしないで😣
おわりです。
ひどい終わらせ方だあ…( ˘ω˘)
しかし作者のチョコドーナツさん…
絵のタッチや、人物の描画から何まで、「温かさ」を感じました…
ちょっと他の著書も、時間を見つけて読んでみよう。
長文、ご覧いただきありがとうございました😌
One thought on “[Book] ネコにさよなら / 作:チョコドーナツ”
楽しく読ませて頂きました。
その作品をそこまで深読みできていなかったので、neongrowさんの感想を読んで納得しています(笑)
いい感想文だぁ( ˘ω˘ ) ヨミヤスイ
最後人間に戻ったと捕らえた派なんですね、なるほど。それはいいおおおってなりますよね、うんうん