こんばんは。
平成30年秋季の情報処理技術者試験、お疲れ様でした。
私、ネオングロウ (@dj_neongrow)と申します。
先の試験で、私はネットワークエンジニアを受験しました。
結果、合格することができました。
私はこの試験を受ける前から、この試験の合否が出た後にブログを書こうと思っていました。
もし合格していたら、その試験日に至るまでの考え方や勉強法を色んな人に伝えるブログ
もし不合格だったら、なにが至らなかったのかを熟考し反省し続けるブログ
幸い、今回は合格、その上本当にありがたいことに、予想よりよい点数での合格点となったため、
胸を張って、前者のブログを書くことができます!
しかし、そうは言ってもネット上にネスペ合格記のブログが溢れかえっているのは百も承知です。
そこで。
よく、ネット上で見かける「ネットワークの実務経験が無くても受かるネスペ!」のような記事ではなく、
逆に、「現役ネットワークエンジニアがネスペを受けるためのブログ!」を今回書こうと思います。
なぜか。
ネットワークエンジニアならネスペ受かって当然でしょ。
って、誰しもが思うと思います。
でも、本当にそうでしょうか?
幸い私は、現在ネットワークエンジニアとして2年目を迎えました。それ以前はインフラ技術とは無縁の職業でした。ではそんな私は今回の試験を、無勉でサクッと、合格できたのでしょうか?
そんなわけがありません。
もちろん、努力の数やその努力から得られる成果は千差万別なので、結果合格と為るか不合格となるかわかりませんが、私は今回、この試験を振り返りこう思いました。
これは、油断したら落ちる。
ともすれば、今回合格までに至ったプロセスを、
ネットワークスペシャリスト受験に関する勉強法・心得を、出来るだけ伝えたい!
そして、1人でも多くの方にネットワークスペシャリストに合格していただき、
現職問わず、その持てるネットワーク技術を少しでも社会貢献に役立てて欲しい!!
そう思い、筆を握った次第です。
とはいえ、特殊な勉強法は一切していません。もちろん仕事中にネットワーク機器は触りますが、
ネスペについての勉強は座学のみでした。
なので、ネットワークエンジニア向けとは銘打ってますが、おそらくいろんな方にご参考いただけるのではないかと思っています。
かなり長くなりますが、ご一読いただき参考にしていただければ幸いです。
目次
私の前提条件
前提として、すでに仕事としてどれくらいネットワークに携わっていたのか。
ざっくり書くと、以下の通りです。
- メインはCiscoもしくは自社NW機器の設計・構築・試験
- 基本はL2スイッチのみだが、L3スイッチ・APを触る機会もあった
- APは構築~サイトサーベイ~取付を行うこともあった
- 無線LANコントローラ・ファイアウォールは構築機会が無かった
- 稀に、お客様と打ち合わせ段階で設計を決めることもあった
これが世間一般のネットワークエンジニアとして、役割配分として多いのか少ないのかは分かりません。
が、おそらくですが、ネットワークエンジニア1~2年目で任せて貰える仕事量って、
だいたいこれくらいじゃないでしょうか・・・?あくまで参考までに、です!
そして、もうひとつ、前提条件があります。
こちらは技術力以前の問題で、後半の章に繋がっていくのですが…
- 試験日まで、残業は月平均20時間ほどで、定時で帰れる日も多々あった。
- 職場の近くにスターバックスやドトールがあった
- 昼休みはほぼきっちり1時間取ることができる
- 自宅では誘惑だらけで一切勉強に集中できなかった…
これらのを含めて、ご自身の環境や状態と照らし合わせていただければと、思います。
参考書
まず先に、今回の試験勉強の主役となった参考書を書かせてください。
参考書選びは、とても大切です。
「でもこのご時世、ネット上でいくらでもタダで勉強できるサイト、あるんじゃないの?」
その考えが甘かった。
実際、当初は参考書も買わず、オンラインの解説サイトだけで合格してみせようと思っていました。
しかし、オンラインということは、インターネットにつないだ状態ということ…
完全に試験勉強中は他に見たいサイトや誘惑に打ち勝てる強い心があれば、それでもよいのかもしれません。
が、私はそんな強い人間ではありませんでした・・・。
よって、必然的に座学ができるよう、参考書を買わざるを得なかったわけです。
本題に入りますが、まずは午前IIの参考書から。
(ちなみに、午前Iの出題範囲は応用情報技術者試験と同範囲なので割愛します。
勉強方法は後述の「勉強方法」の章にちょこっと書いてみました)
午前II
■ 徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書 平成27年度 (インプレス社) [¥2,780(税抜)]
この本で、
ネスペの出題範囲すべての知識を固めることができました。
章ごとに確認問題もあり、そこで現在の自分の理解度を確かめることもできました。
巻末に前年度の午後問題と解説もありますが、それは次に書く本があったので、あまり読むことはありませんでした。他にも電子データや講義動画もついてくるのですが、それらは見ることはありませんでした。
ちなみに、午前問題は基本出題内容は変わらないため、今回のようにH27年度の教科書で勉強し、今年の試験に挑んでも通用はします。が、もし買われるのであれば、最新の教科書を買うのに越したことはありません。
午後I~午後II
午後問題は、午前問題の知識の延長線上なので、
午前問題の出題範囲を理解しているという前提が必要となります。
しかし、よく「ネスペの壁は午後」と言われるように、
午後問題が合格率を著しく下げていると言っても過言ではありません。
なぜなら、午後問題は、午前問題の知識だけではなく、ケーススタディのようにネットワーク技術を用いて問題文内の課題を解決しないといけないからです。
そうなれば、午後問題の対策で必要なのは「問題文から解法を導きだすロジックの考え方」となります。
その点において、おそらく以下のシリーズの参考書が現時点でもっとも分かりやすいのではないでしょうか。
■ ネスペシリーズ(ネスペの剣 / ネスペ道 / ネスペ礎)(技術評論社) [各 ¥2,280(税抜) くらい]
これは本当に良い午後問題の参考書でした。
そもそも、ネスペの参考書自体がニッチなので、どうしても1冊で午前と午後両方を解説しようとします。
が、出題範囲がどうしても幅広い内容なので、どうしても知識・技術内容の解説に特化してしまい、
午後問題は巻末のほうに前年度のものを問題文と、回答・解説を数ページ…という書籍が多いと思います。
が、こちらのシリーズは「午後問題のみに特化した解説」なわけです。
その上、そのわかりやすさが他の参考書とは段違いであり、
例えば、対話形式で問題文中の疑問点や技術的な意味を要点をまとめて解説してくれたり、
問題文中のネットワーク間の通信をパケットレベルで解説してくれたりと、とにかく丁寧で、かつ分かりやすい解説が特徴です。
作者の左門至峰氏の熱意ある文章も相まって、午後問題に対する考え方がスムーズに深まる本であるとおもいます。
参考にならなかった参考書(余談)
完全な余談です。
いよいよ試験1週間前を切った日、私は勉強がやはり未だに不十分なんじゃないかという思いから、
近所の本屋の情報処理技術者試験のコーナーへふらっと足を運んでいました。
そこには色々なネスペの参考書があったのですが、中には
「ネスペ試験直前に見る!合格するサプリ!」のような本がありました。具体的な著名は忘れました。
内容はというと、いわゆる一夜漬け・試験勉強が全く出来てない方向けの、丸暗記用のテキストでした。
「問題文が○とくれば×と書け!」
「問題文が△とくれば□と書け!」
藁にもすがる思いで、パラパラッと立ち読みしてみました。
かえって頭が混乱しました。
そりゃそうです、上記のような正規の解説書ではなく、試験合格するためだけに特化した「対策本」なのですから。
今だから断言できます、そういった本に頼って合格しても何の意味もないです。
それで合格される方ももちろんいらっしゃると思いますが、
それで得られた合格証書、私ならあまり嬉しくないなと、思います。
勉強期間と内容
一番気になる点だと思います。
まずざっくり書くと以下の通りです。
- 4~6月:そろそろ勉強しなきゃやべえと思いだす。
- 7月:午前問題の教科書を読み始める(休み休み)
- 8月:午前問題の教科書をとにかく読み進める日々(まだ休み休み)
- 9月:上旬に趣味を一通り完遂したあと、あとは可能な限り毎日勉強。
この月で午前問題の範囲は完遂し、午後問題の比率を増やす。 - 10月:9月と同様に勉強。午後問題を大方解き続ける。そして試験日を迎える。
これらを時系列に書いていきたいと思います。
4~6月
この頃から受験しようと思ってたのですが、
勉強は着手できていませんでした。参考書すら読む気になれませんでした。
しかし、今なら間違いなく言えます。
午前問題の参考書を読むくらいはしときゃよかった。
午後問題はまだしも、午前問題は知識を固めた者勝ちなので、早期に着手し、早期に理解しておけば、
残りの期間は午後問題の勉強に費やせるので、もちろん時間効率はいいです…
ではなぜ私は着手していなかったんでしょうか。
それは、今回のブログの本題になるのですが、
慢心
そのものになります。
結果今回は幸いにも合格できていましたが、もし慢心が続き勉強開始がもっと遅れていたら、もちろん不合格だったかもしれません。実務経験があるからといって、勉強しないままならこの試験は落ちる。
そう気付いたのは、実際に「そろそろ着手するかぁ」と思い始めた7月以降なのでした。
7月
実際に先述の午前問題用の教科書を読み始めました。
最初の、いわゆる「物理層」「レイヤー2」の範囲は、しってるしってると、軽く読み進めて行けてました。
しかし、「レイヤー3」の話になったり、そこから先の暗号化通信の仕組みや、更に実務経験のないOpenflowの話になってくると段々と「ん?」となってくる箇所が増えだし、その章ごとの確認問題を解いてみると、想像以上に不正解が多いのです。
この時、またひとつ分かったことがありました。
経験があるからこそ、今まで理解しているようで、
理解できていない部分が実はたくさんある!
これには、焦りを覚えるほかなかったです。
経験とは、よく自分自身を助けてくれますがこのようにときには自分自身の足かせにもなります。
この焦りが元で、本格的に試験勉強に火が付いたのを覚えています。
だから、改めて1章の「物理層」の話から読み進めていき、知識が自分自身で説明できるな。論理的に分からないところはないな。と思えるようになったら、はじめて次の章を読み進めるという方式にしていきました。
8月
章ごとに教科書を読み進めていきながら、合間の確認問題を解いていく日々。
この月はイベントなどで外出することも多かったのですが、合間には後述する午前過去問の出題サイトなどで、
出来るだけ実力確認をするようにしていました。
この段階では、まだ午後問題には着手せず…。
9月
上旬に自分の趣味事を終え、完全に勉強モードに切り替えていきました。
以降毎日、勉強時間を見つけ座学してくようになります。
(勉強方法については次章の[勉強方法]をご覧ください)
今回幸いだったのが、仕事量的に9月10月が仕事の谷間だったこと。
よって平日や土日祝も比較的勉強する時間が取れたことでした。
やはり、勉強時間はそのまま試験結果に返ってきます。
勉強時間が取れないよ~!となるぐらい多忙な場合、おそらく正攻法以外のなんらかの勉強法に頼るか、
あるいはやはり、あらゆるスキマ時間で少しでも勉強を積み重ねていくか、
あるいは…今回は見送るか。
なにぜ、時間を確保してください。その中で密度のある勉強を、していきましょう。
10月
試験月です、とはいえ特別勉強時間は増やしていません。
9月と同じように、毎日勉強を積み重ねます。
ただし、本当に時間が欲しくなり、それが生活に反映してきた点は変わりました。
例えば、仕事が終わり晩飯は急いで食べてすぐ勉強したいので吉野家が行きつけになったりとか…
そこらへんは、完全に個人差なのですが、さすがに当月になると受験者の意識に変化も出てくると思います。
が、基本的に10月は9月の延長線となるので特筆することはそんなにないのです。
そして10月21日、試験日当日を迎えます。
勉強方法
先述の通り、9月以降から本格的に勉強方法を設け勉強を開始しました。
もちろん、8月以前も教科書は読んでいましたが、具体的にどれだけの期間、1日どれくらいの勉強を、どこでする、
といったことを特に決めずに読んでいたので、いわゆる密度の薄い勉強となっていました。
今思い返すと、8月までの勉強は、焦りこそ生みましたが、勉強にはなっていなかったのかも…?
だからこそ、私の場合は以下のようにルールを設け勉強を続けてみました。
- 勉強ルール
- 1コマを2時間とし、平日は絶対1コマ・土日祝は2コマ勉強する
- 平日出来なかった分は、土日祝でカバーする
- コンディションを最優先するため、夜更かしは控える
- 絶対的に集中できる場所でのみ勉強する
- スマホをつい触らない仕組みを作る
このルールは「1日の勉強時間」と「集中力との戦い」の2つに分けられるので、
それぞれちょこっと、解説していきます。
1日の勉強時間
まず、平日にどれくらいの勉強時間なら確保できるだろう?
という所から、勉強時間を考えました。私の場合、2時間でした。
最悪、9時に仕事が終わってもその後晩飯を食べ、23時や0時過ぎまでしている店で集中して2時間勉強すれば、
日付が変わる前までに家に帰れる。
今見るとよくわからないロジックですが、
要は仕事や自分の体力に影響が出ないであろう範囲で勉強時間を決めましょう。
そして、それをベースに休日はその何倍勉強時間が取れそうか?を考えてみます。
私の場合、2倍の4時間としました。それ以上勉強しても集中力が続かないのは分かっているからです。
また、昼休みに時間が取れたこともありがたかったです。
お昼ご飯を食べて、休憩室に入れば、30分は勉強できます。
とはいえ30分なので、たとえば午前問題を解くくらいしか出来ませんでしたが、時間がないという方は、
この昼休みの時間の使い方も合格への一歩になるかもしれません。
集中力との戦い
一番最初に書いた、私の前提条件のひとつ。
- 自宅では誘惑だらけで一切勉強に集中できなかった…
これが今回の試験勉強最大の敵でした。
本当ならば、自宅で勉強できるに越したことはありません。
しかし私の家はワンルームであり、そのワンルームにあらゆる趣味に関するものやパソコンもあります。
特にパソコンという悪魔の機械は、人の時間を無限に吸い続けられるので、
あれやこれやと対策をしてみましたが、私は勝てないんだ…ということを悟りました。
よって、
勉強は自宅以外でする
という方針をまず決めました。
では、勉強をどこでしよう?
ここらへんはオーソドックスですが、スターバックスやドトールといった、定番のカフェ
問題なさそうであればファストフード店やレストランなども、よいのでは?
あるいは自分好みの喫茶店などなど…。要は
「自分が落ち着いて長居できそうな屋内」
であれば、どこだっていいと思ってます。
私も最終的にケチッて近所の百貨店のただ丸机があるだけのスペースで2時間勉強してみましたが、
割と勉強できました。自分が落ち着ける環境であれば、それで良いのです。
さて、これでやっと勉強をする場所が確保できたので、実際勉強に取り組めます。
が、とはいえ、まだ集中力を欠いてくる要因が2つありました。
「周りの音」と「スマホ」です。
こいつらを対策しないことには集中に入れない私は、こちらも対策を講じていきました。
音楽
いわゆる、勉強用BGM。
あくまで私個人が使ったBGMなので、これも参考程度が宜しいです。
普通に耳栓でもよかったかもしれませんが、追加でリラクゼーション効果も欲しい。
そして集中力を削がない曲が良い、だからボーカルのない曲が良いな…
となると、自然にピアノサウンドや環境音、自然の音が良いのかな、と思っていた矢先、
偶然、以前から好きだった作曲家さんの昔のアルバムをなんとなく聴いてみたら
ああああ…これだ…!
それがもう勉強用BGMとして最適で、以降試験前日までこのアルバムのみで試験勉強を乗り切ることが出来ました。
まさかこれほど、勉強用BGMとして身体にフィットしてくれるとは思いませんでした。しかも推しの作曲家。10/21までこの名盤で乗り切る… │ 吉森信 / 「彩」〜 Color (ピアノ) https://t.co/IZRNLr9F5V #nowplaying
— ネオングロウ (@dj_neongrow) 2018年9月3日
アルバム紹介しだすとまた長くなるので、割愛します。
なにせ、「自分の集中力を増す仕組み」ができれば、それでいいのです。
また、周りの雑音が気にならない方であれば、ここらへんは気にしなくても良いと思います。
スマホを触らない仕組み
スマホがそばにあるだけで人間の集中力は落ちると言います。
しかし、現代社会においてスマホは不可欠、というか先述の勉強用BGMを聴くのにスマホが要ります(私の場合)
よって、「スマホを触れなくする仕組み」を探していました。
スマホが、なんらかの力により、試験勉強の間触れなくなる。
タイマー機能があって、その間スマホ操作を出来なくするようなアプリとか…ないかな?
(ちなみに、そういったタイマーのことをポモドーロタイマーと言うらしいです)
と探していると、見つけることが出来ました。
【パソコン・スマホ依存症の方のための勉強法】
【1】パソコンは切る、orスリープ、触らない!(オフラインで情報は収集できる環境を作る、なければ外に出る)
【2】30分など指定時間スマホを操作禁止にするアプリを入れる(Forestなど。スマホ操作すると木が枯れる😭)
機内モードにできれば完璧… pic.twitter.com/PoTFXwOzyS— ネオングロウ (@dj_neongrow) 2018年9月17日
Forestというアプリです。
特徴として、このアプリでは最初に育てる「木」を選択し、タイマーが開始すると木が成長していきます。
が、そのタイマーの間少しでもスマホを触ると木は枯れてしまいます。
なんということでしょう。
即、枯れ木になります。
しかも、育てた木には名前がつけられたり、タイマーを耐えきると貰えるポイントで別の木が育てられたりと、
木に愛着を沸かすことができるのですね。
私はこのアプリで、勉強中のスマホ操作を断つことができました。
更に、タイマー開始前に機内モードをONにしておけば完璧ですね。
もちろん、ただの木の絵なんかに感情移入できねえよ…と言われたらそれまでなのですが、
もし、私みたいについスマホを触っちゃうという方は、試して見る価値はあると思います。
午前I
さて、いよいよ勉強の中身に入っていきます。
が、今回私は午前Iを免除しているためそもそも試験対象外だったのです。
が、午前Iもネスペの範囲に含まれるので、簡単にですが応用情報技術者試験を受けた時の勉強方法をご紹介します。
先述した教科書シリーズと同じ、インプレス社の応用情報技術者試験の教科書を1冊読み込み、
「応用情報技術者試験ドットコム」やIPAの公式サイトから過去問を解きまくれば、かなり合格に近づくと思います。
ネスペの中で唯一、ネットワーク以外の分野も問われる箇所なので、試験範囲が広くなってしまいます。
なので、事前に応用情報技術者試験を受けるチャンスがあるのであれば、私は受験を強くオススメします。
もちろん遠回りにもなりますが、応用情報には一部ネットワーク技術の知識や、冗長性/可用性といったネスペにもつながる考え方、また午後問題にもネットワークに関する問題も出題されました。
(実際私がH29春に受けた応用情報技術者試験で出題されていました)
もし合格でき、午前Iが免除になれば、勉強範囲は純粋にネットワークに関する範囲のみでよくなり、
一気に合格へ近づくことが出来るはずです。
午前II
ここからが本題です。
前提として、「午後問題は午前問題の内容の応用である」という観点から、
いかに午前問題、ひいてはネットワーク技術全般の知識を理解するかがカギになると思います。
とはいえ、先述した教科書を読み進めていく他ありません。
こういった技術があるんだな、とちゃんと論理的に理解しながら読み進め、合間の確認問題で論理的に解いていく。
この繰り返しを、ひたすら。。です。
コツなんてものは、探してみたけどなかったです。
「急がば回れ」を地で行く試験なので、読み進め、理解度を試す…の繰り返しなんだなと、
勉強しながら気付きました。
そしてもうひとつの勉強法。
午前問題の良いところは、4択問題であること。
なので、先程の午前Iと同じく、勉強時間外でもいつでも場所を選ばずに
下記のようなサイトで腕試しが出来るわけです。
そして分からない問題が出てきたら、その分からなかったところを教科書で補いましょう。
また教科書以外にもネットワーク技術の解説サイトとしては、下記が有名所でかつ分かりやすいと思います。
あるいは、もしネットワーク技術に関する仕事をされているなら、会社の先輩などに聞いてみるのも実は近道だったりします。聞いてみることで、その分からなかったことから芋づる式で、更に理解を深めることが出来るかもしれないからです。
午後I / 午後II
さて最大の敵であり手を差し伸べるべき相手、午後問題です。
午後Iと午後IIで勉強方法の違いは無かったので、併せて書きます。
ざっくり書くと、以下のような勉強方法です。
(参考書は、先述のネスペシリーズであることを前提に書いていきます)
1)IPA公式サイトから、参考書の年度と同じ午後問題をダウンロードする(pdf形式)
(ここでトイレ休憩なども出来る限り挟まないようにしましょう。
実試験と同じ状態に持っていきます)
3)答え合わせをし、ロジックが分からなかった回答番号をノートなどにメモ。
4)参考書の問題文解説を読み、まず問題文で技術的に意味が分からないことがないかを調べる
5)次に回答の解説を読み進め、参考書の解説を丁寧に読み解きながら、
この問題については、その技術を、こういったロジックで解いていくのか。
と、点と点を線で結ぶように理解を進める。
6)3や4で技術的に分からなかった点について、午前用の参考書や勉強を行い、内容を頭に落とし込む。
6)その後、また時間を見つけて午後問題を解く…
この繰り返しです。
この繰り返しを行うと、「問題文で起きている障害に対して、考えられる要因」が思いつきやすくなると思うのです。
具体的に書くと、例えば…
パソコンがインターネットに接続できなかった理由を述べよ
と、こう大雑把に書かれるだけでも
- LANケーブルが正しく接続されていなかった(第1層)
- PCの接続先スイッチのポートがブロックされていた(第2層)
- PCが正しくインターネットの出口までルーティングされていなかった(第3層)
- PCに正しくDHCPが割り振られなかった(第5層~)
他にもまだまだ想定できる可能性はあると思いますが、
このように問題文から考えられる要因を連想できるようになれば、少しは解きやすくなるのではと思います。
午後問題の勉強とは、問題文から答えへ導くプロセスを養う修行期間だと、思ったりしました。
あと、もうひとつ。
実際に「お客様からの依頼事項」と思って、解いてみるのはいかがでしょうか?
つまり、この問題文はお客様からのお願い事であり、あなたになんとかしてほしい!と貰った案件だと思うのです。
すると、より問題文に対して真摯に向き合える気が起こる…かも?
メンタル
話は飛んで、試験へ挑むメンタルの話も書かせてください。
なにせ、午前Iも含めると、朝9時30分~夕方の16時30分まで、ほとんど1日の就業時間並に試験があります。
よって、ネスペは、メンタルも大事だと思っています。
(ネスペを問わず、高度情報技術者試験全般に言えますが…)
では、どのようにメンタルを強くし試験に挑めばいいのかこれは、……悩みました。
が、考えた結果、それは「モチベーションの維持」だと思います。
勉強とは長いマラソン、モチベーションを維持し続けなければ、どこかで必ず息切れしてしまいます。
継続し続けることが、合格への近道。ならば、モチベーションの維持が、大切になってくるはずです。
じゃあ極論を言えば、ネスペに受からなければころされちゃうとか、そのレベルまで追い詰められたら
人間いやでもやる気になると思いますが、これはそんな物騒な試験ではありません。
だから、例えば「資格手当が出る」とか「社内の人事考課にプラスになる」とか「ドヤれる」とか、
なんでもいいんで、きっかけを作ることがスタートだと思います。
あとはそれを信じて、愚直に、勉強するのみ!
いいんですよ、もし合格したら、twitterやFacebookや友達に自慢しても。
自慢しすぎて、嫌われても知りませんが、それはあなたが正々堂々頑張った証なのだから。
なにかひとつでいいので、モチベーションの火種を、持ち続けて勉強を続けていきましょう!
おわりに
最後の章です。
想像通り、読み返すのもしんどいくらい長い記事になりましたが、
今試験を終えて伝えたいことはこの記事に詰め込めたと思っています。
が、ここまで書いておいてですが、
この勉強期間を改めて自分で振り返ると、良かったのか悪かったのかが分からないのです。
なにせ、4~6月、勉強しなきゃやばいなと思いながら出来ていないのです。
そういう点は反面教師にしてほしいと思いますし、
「ならば私はもっと早く教科書を読もう!」となればそれは御の字です。
しかし、勉強は長期間ダラダラしても効率が悪いという考えもあります。
それもまた個人差ですが、自分に合った勉強スタイルは、これまでの人生の中で実は見つかっていたりします。
それに合わせて、ネスペの勉強をひとつずつ積み重ねていけば、誰しもが合格できる試験だと信じています。
最後に、今回の記事においてご紹介させて頂きました全てのサイトの運営者様、
また参考書の出版元であるインプレス社様・技術評論社様、
ネスペシリーズの著者であります左門至峰様、他参考書の著者様、吉森信様、
勉強する場所を貸し出してくれた全てのコーヒーショップ様、ファストフード店様、レストラン様、
職場の近くの百貨店の上の方の階、twitterで応援してくれた全てのフォロワー様、木(桜)、
他にも他にも…
すべての皆様に、感謝と、
すべての受験者様へ、エールを送り、
筆を置こうと思います。
試験勉強中、私の中でひとつの曲のひとつのフレーズが
最大の目標でありテーマとなっていました。
キリンジ というアーティストの、2013年の楽曲「ナイーブな人々」の最後のフレーズから。
「後悔だけは しなさんな」